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ジュール・ヴェルヌ作品

十五少年漂流記 神秘の島〈第1部〉
神秘の島〈第2部〉 神秘の島〈第3部〉

十五少年漂流記/ジュール・ヴェルヌ 著


チェアマン寄宿学校の生徒たちは、夏休みの沿岸航海の旅を楽しみにしていた。8歳から 14歳までの15人の少年を乗せた船は、舫綱がほどけ漂流してしまう。嵐に打たれ、流され た先は無人島だった。生き延びるため、力を合わせ困難に立ち向かっていく少年たちの勇 気と感動の冒険小説です。

年長である3人を中心に物語は進んでいきますが、国籍も違う、性格もバラバラの3人のキ ャラの描き分けがおもしろい。
面倒見が良く、他人を思いやるフランス人のブリアン。頭はいいけど自慢したがりで威張 っているイギリス人のドニファン。いつも冷静で現実的なアメリカ人のゴードン。
私はその中でもブリアンが一番好き。次々と浮かぶ素晴らしいアイデアは、他の人にはな かなか思いつかないことばかり。自ら危険を冒し、仲間を助けるため獣に飛び掛ったり、 凧に乗り空に上がる発想など、大胆でハラハラすることがいっぱいです。

狩をして、漁をして、自分たちでさばいたものを食べる。彼らの住居となる洞穴も居心地 のいいように作り上げていく。一人一人の勇気と力が合わされば、こんなにも強くなれる んだなぁ。たくましさとパワーにただただ驚くばかりです。

島での生活は、他にもワクワク要素が盛りだくさん。過去に漂流した人の遺骨やノートを 見つけたり、島の探検、極悪な船乗りの漂着、山犬の大群、新たな仲間の発見など最初か ら最後まで楽しめます。

私は子供の頃、冒険したかった。隠れ家になりそうなところを探したり、空を飛ぼうとし てみたり、動物に乗って遥か彼方まで駆け巡る旅に出たり・・・・・・空想の世界はどこまでも 広がる。この本はそんな私の夢を叶えてくれる素敵な一冊です。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[サバイバル]


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神秘の島〈第1部〉/ジュール・ヴェルヌ 著


嵐のなか、四人の男とひとりの少年を乗せた気球が、無人島に漂着した。男たちは、知識の宝庫である技師・サイラス・スミスを中心に手作りの鉄や爆薬で、島を開拓してゆく。空想科学小説の祖、ヴェルヌの傑作冒険小説完訳版。小学上級から。(「BOOK」データベースより)

嵐の中、海原の上空を彷徨う気球。海面がぐんぐん近づいてきたため、重いものを投げ捨て軽くする必要があった。なんとか島に辿り着いた時、持っていた所持品は腕時計、マッチ一本、小麦一粒、犬の首輪だけ。こんな絶望的な状態なのだけど、科学的な知識に基づいたアイデアで次々と乗り越えていく姿に勇気付けられます。

みんなのリーダーであり、幅広い知識を持つサイラス・スミス。博物学に詳しいハーバート。船乗りであり、船大工でもあり、どんな仕事にも適応できるペンクロフ。無人島ではそれぞれの個性と特色を活かした仕事が山ほどあり、どんどん島が開拓されていきます。

犬の首輪から作ったナイフ、木の根を発酵させて作った酸味のある飲み物、樹液から作った砂糖。ハンマーや斧などの道具から、ろうそく、レンガ、ロープまで、何もないところからこんなにもたくさんの物を生み出していく知恵が素晴らしい。

一本しかないマッチで火をつける時も、緊張したけれど、たった一粒の麦から上手く芽が出るのか、枯れることなく無事収穫できるのか、不安と期待がいっぱいです。

そして、それとなく張り巡らされた伏線には、この島にまだまだ「謎」が隠されていることを物語っています。このシリーズは第3部まであります。いったいどんな神秘が待っているのか、これからの展開が楽しみです。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[サバイバル][壮大なスケール]


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神秘の島〈第2部〉/ジュール・ヴェルヌ 著


無人島であるはずのタボル島に遭難者がいる。船をつくった男たちは、救助へむかう。そこで出会ったのは、人間の心を忘れたまるで獣のような男だった。原書のさし絵をふんだんに使用したヴェルヌの名作完訳版。(「BOOK」データベースより)

水車にエレベーター、船に農園など島がどんどん開拓されていく。小麦もいよいよ収穫され、やっとパンが食べられるようにもなった。飼育場では生き物たちが飼われ、賑やかにたくましく生きている開拓者たち。どんどん豊かになり、居心地よくなっていくに連れ、この島を離れる時がきたら、きっと寂しくなるんだろうなぁと思いました。

オランウータン、オオカミ、サルなど動物たちが多く暮らすここでは、時には危険な出来事も起こります。群れに遭遇したり、1人でいるところを狙われたりしてハラハラドキドキすることがいっぱいです。

新たにもう1人遭難者をみつけ、一緒に暮らすことになる。奇妙で謎めいていて人間らしさを無くしてしまったかわいそうな人。ずっと5人だけの生活だった中に1人加わるのは、新鮮で単調な毎日を刺激的なものにしてくれる。

砂浜に打ち上げられた箱、手紙の入ったビン、トップの奇怪な行動。不思議なことは続き、やはり何かがいるように思えてならない。目にみえないけれど、終始彼らの行動を見守り、味方になってくれるような存在。第2部でも、謎は解明されないまま、次回へ持ち越される。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[サバイバル]


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神秘の島〈第3部〉/ジュール・ヴェルヌ 著


男たちが危機におちいるたび、救いの手をさしのべてくれた神秘の力。ひそかに五人を見守っていた謎の人物についにめぐりあう。物語は、意外な決着をむかえる。『海底二万里』のヴェルヌが描く驚異の冒険小説完訳版。(「BOOK」データベースより)

終盤では海賊が現れ、スピード感ある内容となっています。こんな小さな島で数十人もの敵とどう戦うのか、緊張感が走ります。島なので、どこにも逃げ道はなく、でも敵はジワジワと迫ってくる。徐々に開拓され、豊かに暮らしていた生活に不穏なる侵入者。追い詰められ、脱力し、希望を失っていったのでした。

謎が深まるに連れ、神秘の人の存在は明るみになっていく。なぜ姿をみつけられなかったのか、なぜ痕跡を残さずこちらの様子を伺うことが可能だったのか、次々と明かされる真実にグイグイ惹きつけられます。

結末はまったく想像のつかない方向へ急展開します。壮大な光景は迫力があるし、読み終わった後も、ずっと印象に残っています。何もなかった島は、もはや彼らの世界であり、安らぎの場所でもある。彼らの気持ちを思うとやり切れない。驚きとスリルがいっぱい詰まった素敵な作品です。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[サバイバル]


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