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大崎梢作品

夏のくじら

夏のくじら/大崎梢 著


大学進学で高知にやって来た篤史はよさこい祭りに誘われる。初恋の人を探すという淡い 望みを抱いて参加するも、個性的なチームの面々や踊りの練習、衣装も楽曲も自分達で作 るやり方に戸惑うばかり。だが次第に熱中するうち、本番が近づく。憧れの彼女は果たし てどこに?祭りの高揚を爽やかに描く青春小説。 (「BOOK」データベースより)

よさこいがこんなに大きなお祭りなことも、高知が本場だということも知らなかった。楽 曲も衣装も振り付けもすべて自分達で、その道のプロの人に依頼するというのだからびっくり。 その他にも、説明会、練習場確保、参加者募集、地方車やバスの用意などかなり早くから 準備が進められていく。

篤史は踊り子として参加しながらスタッフとしての役割もあるから大忙しだ。その間、多 郎との友情やほのかな恋、仲間との衝突など色々あるのだけど、徐々にみんなが一つにま とまって目標に向かって邁進していく様子は爽快感たっぷり、惚れ惚れします。

この小説には祭りだけでなく、高知の地名や通りもたくさん出てくるので、知らない街を 歩いているみたいでワクワクする。あまり聞く機会の少ない土佐弁も魅力的です。

祭り当日。始まる直前の緊張感も、楽しんで伸び伸びと踊っている様子も側でみているみ たいに伝わってくる。パッと吹き抜ける南国の風、熱狂的な空気、鳴子の音や息遣いまで 聞こえてきそうです。

「空っぽになった頭に、身体に、心に、リズムだけが走る。手が勝手に動く。足が滑る。 跳べば遥か彼方まで飛んで行けそう。音に痺れ、光に眩み、酩酊感と恍惚感に支配される。 纏をふるっている意識さえなかった」

内側からジワジワ沸き起こる熱い想い。興奮。最後までやり遂げた達成感。一生懸命な人 はカッコいい。輝いている。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[青春・学園小説]
→テーマ別[異国情緒][夏休み][モチーフ]


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