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ベン・オクリ作品

見えざる神々の島

見えざる神々の島/ベン・オクリ 著


主人公である青年の姿はみえない。「見える」こととは何かを知るために旅に出る。たど りついた島には、人の姿はみえない。だけど気配が確かにそこにあり、声が聞こえるのだ。そ こで彼を待ち受けていたものとは・・・・・・

この物語のあらすじを説明しようとすると非常に難しい。白いユニコーンに大天使、空中 に浮かぶ橋など不思議なものが出てくるのでファンタジーのようだけど、楽しい冒険の旅 とは違う。島には人がいない。声だけが聞こえる。案内役と呼ばれる人が現れ奇妙で不可 解な言葉を残していく。

言葉そのものの意味を掴もうとするとこぼれ落ちてしまう。枠を超えた果てしない広がり があり、捉えどころがないのだ。だけどその言葉には強いエネルギーが感じられる。太陽 が人を照りつけるように暖かい粒子が降り注ぐ。私の心の深いところを濡らし撫でられて いるような感触。

ガラスの丸天井や金色の塔、鏡の宮殿。目に映るものは美しく幻想的なのだけど時々恐ろ しくなる。彼の精神世界がこの島に反映されてるから?足元がグラリと揺らぎ飲み込まれ そうな危うさ、一度諦めるとひたすら落ちていくだけという底なしの暗闇。負の感情を振 り払いひたすら高みへと登り続ける、そんな緊迫感も感じたのでした。

この島に住む人々は神に近い存在?幻影?日常では決して出会えない、人間を超えた崇高 な精神の存在に思えるのだ。
現代にある「時間」「お金」「身分」などない。魂を磨きより高みへの到達を目指す人々 の物語なのです。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[詩的な小説]


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