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ウィル・ノース作品

きみの遠い故郷へ

きみの遠い故郷へ/ウィル・ノース 著


ウェールズの静かな町で暮らすフィオナは、宿屋を営んでいた。夫は化学物質過敏症を患 い、彼女と離れ牧場の納屋に暮らす。
元妻をガンで亡くしたアレックは、彼女の遺灰を手にウェールズを訪れる。山で遺灰を まくためにやってきたのだ。そこでアレックは、フォオナと出会うことになる。
それぞれに孤独を抱えた二人。美しい自然の中での濃密な9日間を描いた作品です。

一瞬で恋に落ち、惹かれあう二人。穏やかな生活に突如入り込んできた新鮮な風。一気に 高まる熱情はもう抑えることはできない。
美しい風景に、料理を腕を揮う場面、羊の出産シーン、細部の描写が細やかで目の前にそ の映像がパッと浮かぶようです。その中にもお互いを愛しく想う視線、側にいられる幸せ に浸り、この時間をとても大事にしている様子がうかがえます。

途中、緊迫した場面があるのですが、そこから夫婦の愛と情熱的な愛に揺れ、苦悩するこ とになります。私が同じような立場だったら、きっと随分長く悩んでしまうと思う。すぐ に結論なんてだせないと思う。答えがだせないまま、流され日々を過ごすかもしれない。

ここに登場するアレックはとってもいい人なんです。こんな人現実にはいないんじゃない かと思うほどに。彼女の幸せを優先するためには、自らが傷つくような道を選ぶ人。
近くにいていつでも触れられる恋よりも、遠くから見守る想いとはなんと純粋で大きい のでしょうか。とても優しい気持ちになれる本です。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[恋愛小説]
→テーマ別[婚外恋愛小説]


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