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C・サレンバーガー作品

機長、究極の決断

機長、究極の決断/C・サレンバーガー 著


二〇〇九年一月一五日、ニューヨークのラガーディア空港を離陸して上昇中にカナダガン の群れに衝突、両エンジンが破壊されマンハッタン島西側のハドソン川に緊急着水したUS エア1549便の航空事故は、乗員乗客全員が助かったことから「ハドソン川の奇跡」と呼ば れた。エンジン停止から不時着までわずか三分二八秒、機長はこの絶体絶命の危機でどう 決断したのか?一人の機長の使命感、人生観、そして完璧な仕事を語る一冊。 (「BOOK」データベースより)

わずか数秒で決断し、無事着水できたのは、この機長だからこそ成し遂げることができた のだと思います。過去に起きた航空事故から何かを学び取り、自分の事としてシュミレー ションする。たくさんの飛行経験もさることながら、こうした意識の高さが緊急時に冷静 な判断ができたのだということがよくわかります。

本書では、鳥衝突の一日だけでなく、空軍士官学校時代のこと、家族、空軍基地勤務、航 空の歴史にまで及んでいます。戦闘機、事故機が着水したところ、翼上に脱出する乗客な ど写真も豊富に揃っています。

鳥衝突と同時に、不吉な振動、音、そして鳥の焼ける臭い。エンジン騒音が消え静まりか える機内。どれだけ恐ろしいことだろう。ゆっくりと考えたり迷っている時間はない。早 急にやるべき対策を講じ、最善を尽くしていく様子から緊張感が伝わってきます。

飛行機はほとんどの場合、何事もなく目的地に到着する。だがその状況に甘んじてはなら ない。天候や風速に気を配り、乗客と直接触れ合う機会を作ろうとしているところから、 機長の人柄、几帳面さなどがみえてきます。

5歳の時からパイロットになりたかったという機長。模型を手にした愛らしい少年の写真 が印象的だ。家族から教わったこと、死んでいったパイロット仲間から得た教訓、本文に もあるとおり、まさに経験が生かされていると思う。即座に行動できる人というのは、長 い間培われてきた知識や経験によって心の準備がすでにできていた。本文のどこかにあっ たこんな言葉が忘れられない。

→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[山岳・海洋・航空小説]


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