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富田忠雄作品

わたしのラベンダー物語

わたしのラベンダー物語/富田忠雄 著


“ハーブの女王”と呼ばれるラベンダーに富田忠雄が魅せられたのは昭和28年、21歳のと き。以来、十勝岳連峰を見やる富良野の広大な畑でラベンダーひとすじに働いてきた。日 本一有名になった花農場「ファーム富田」には、紫の花の香りに誘われて毎年百万人もの 観光客が訪れる。著者撮影のカラー写真で農場の美しい四季を紹介。ラベンダーの歴史や 栽培方法、楽しみ方までわかる一冊。 (「BOOK」データベースより)

ラベンダーの咲く富良野には、私の実家から車で90分ほどでいけるところにあったのだけ ど、数回しか行ったことがない。毎年観光客がたくさん訪れるということも、住んでいた 当時は知らなかった。近くに住んでいるという安心感もあるし、いつでもいけると思うと その内・・・・・・と思うまま時が過ぎた。遠く離れた地に住み、行きたくても、もう気軽に行 けなくなってしまった今は、ラベンダーがとても恋しく思われます。

この本には、著者のラベンダーに対する熱い想いが詰まっています。初めてラベンダーをみ た時の衝撃、ラベンダーの故郷であるプロヴァンスへの旅や、香水作り、家庭での栽培の 仕方などたくさんのエピソードがいっぱいです。

愛情をかけて、丹精込めて作りあげたラベンダーたち。窓の中から不安げに覗いてみたり、 刈り取らなければならない時の切なげな気持ち、時には話しかけてしまう姿をみていると、 なんてロマンチストな人なんだろうと思いました。
ある時は、娘の成長を眺めるように、ある時は好きな女性に恋焦がれるように、ラベンダ ーをいとおしげに眺める著者の眼差しがみえるようです。

今はこんなに有名になった「ファーム富田」ですが、収入がなく一度は畑をつぶそうとし たこともあったそうです。けれどできなかった。トラクターのアクセルを踏むことはどんなに 辛かったことか、著者の哀しみや苦悩が深く伝わってきました。
踏みとどまり後一年だけ、来年になってもまた悩み、後一年だけ。夢と現実との狭間に揺 れ、それでも諦めないで続けてきたこと、そんな苦渋の歴史があり、今のラベンダー畑が あると思うと感慨深いものがあります。

→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[モチーフ]


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