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齊藤正明作品

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ /齊藤正明 著


一度、出港したら長期間陸地には戻れず、逃げ出すこともできないマグロ船。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上の世界。そんなところで突然働くことになった会社員の私。きっかけは、ある日、上司から言い渡されたひと言だった。「お前はマグロ船に乗ってこい!」その命令を断ることができず、泣く泣く乗るハメになった私が、船上で目にし、耳にしたものとは一体…。 (「BOOK」データベースより)

この本を読んでみようと思ったのは、マグロ船という日常からかけ離れた場所に興味があったからです。そしてもう一つ、マグロ船から学ぶ知恵や仕事術とはいったいどんなものなのか知りたいと思いました。

難しい自己啓発本とは違い、実体験に基づく会話文が多いのでサクサク読めます。
著者の文章は決して押し付けがましくなく、素直で謙虚な姿勢に好感が持てました。漁師さんの見た目ががっしりしていて強そうなのに対し、それとは対極の、ひょろりとして気弱で天然なキャラクターが文体にも現れていておもしろい。

漁師さんというと、荒っぽく、いかつくて、怖そうなイメージがあったのだけど、読んでいくうちにぜんぜん違うことがわかりました。何気ない著者との雑談の中に、生きるための知恵がたっぷり詰まっていて勉強になるのです。

「自分の中に計器がないと、海の真ん中で漂流しているのと同じこと。現在位置を知り、向かう方向を決めよ」
周りをみて、ああなりたい、こうなりたいと、なりたいものだらけはよくない。何か一つに決め、それをとことん極めること。

どこでマグロが捕れるかはわからない。けれどウロウロしていても何も始まらない。じっくり考えても、すぐに決めても、確立は変わらないのだから早めに舵を取ったほうがいい。ダメだったら次に移動、決めた回数を多くすれば、漁ができる回数も増やせる。

とても説得力のある言葉です。大らかで粋があって、ダイナミックで……奥深い言葉は、私たちの日常にも役立つことばかりです。

→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]


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