『世界の夢の本屋さん』 エクスナレッジ(編) |
『懐かしの縁日大図鑑』 ゴーシュ(編) |
『TOKYO図書館日和』 冨澤良子 (著) |
『東郷青児』 野崎泉(著, 編集) |
『雨ふりの本。』「十一月、空想雑貨店。」(著) |
『ターシャ・テューダーのクリスマス』 ハリー・デイヴィス (著) |
いま、イチオシの世界の本屋さんを質の高い写真を豊富に使って紹介するビジュアル解説 書。紹介するのは、建築、インテリアはもちろん、格式や先進性、業態のユニークさ、本 の品ぞろえ、オーナーの懐の深さまで、オンリー・ワンの特徴を兼ね備えたお店ばかりで す。お店の歴史や書店を始めるきっかけ、取り扱う分野や、経営ポリシーなどを語るオー ナーや店長インタビューと、本屋で働く心構えや、お客さんとの接し方、プロとしての勉 強方法、仕事のやりがい、将来の夢などを語る書店員インタビューの2本立て。本好き、 本屋好きなら一度は訪れてみたい!こんなすてきな書店なら、いつか自分でもやってみた い! と思うこと、まちがいなしです。(Amazon.co.jpより)
10都市33店もの本屋さんが紹介されたこの本は、夢がいっぱい。ふんだんに盛り込まれた 写真の数々は、みているだけでワクワクするし、実際に行ってみたくなる。建物自体が優 雅な建築物であったり、本がより魅力的にみえるように、黒で統一された棚に並べられた 美しい表紙の本たち、天井からぶらさがった本など、ビジュアル的にも楽しめる素敵な本 屋さんなのです。
写真と共に店長さんのインタビューも一緒に掲載されています。ただベストセラーばかり 並べるのではなく、こんな本を置きたいというポリシーを持っていて、努力と研究を重ね ていること、何より働いている人は、本が好きな人ばかりなのがうれしい。
店長さんの好みや、たくさんの人に広めたい一押しの本がセレクトされた本棚は、個性的 な独自の空間。こんな本屋さんでは、本を手に取る前に、しばらくはじっくりと眺め雰囲 気を楽しみたい。本屋というものは、冊数が充実しているところよりも、専門的なもので あったり、店主のこだわりが感じられる夢のある場所であって欲しいと思う。
豪華なシャンデリアが施された店内では、本が高級な宝石のような存在に思えてくるし、
カラフルな本棚は、おしゃれなブティックを歩いている時のように心を弾ませてくれる。
美術館に行った時のような厳かな気分になれたり、映画に出てきそうな美しい建物にう
っとりしたり、本は演出によって、枯れもするし、映えもすると思った。
温かみと情熱がたっぷり詰まった本屋さんは、心地いい。幸せなひと時を過ごさせてくれ
ます。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[図書館が舞台/本の本]
縁日の今昔を豊富な写真と共に紹介した本です。綿菓子、金魚すくい、輪投げ、やきそば、 様々な露店は、子供だけでなく、大人にとっても、心浮き立つ楽しい場所。金魚すくいの コツや、テキ屋・屋台にまつわるコラム、露店に並んでいたレトロな玩具の写真も掲載し ています。
「お好み焼き」「焼き鳥」「リンゴあめ」「ヨーヨー」などは、やっぱりどこにでもある んだなぁと思う反面、みたことのないものも多くて驚いた。「ハッカパイプ」「かるめ焼 き」「玄米パン」とは、どんな味がするんだろう。今度みかけたら食べてみたいと思う。
縁日には子供の時には毎年行っていたものだけど、大人になってからは数回ほど訪れただ け。でも、今いってもやっぱり「焼きそば」とか食べてしまうんだろうなぁ。私が小さい 頃よく食べていたのは、キャベツと肉がほんの少しだけ乗っかった、至ってシンプルな焼 きそば。普段絶対買わないようなものでも、縁日にいくとつい買ってしまう。賑やかに並 ぶ露店は、みているだけでワクワクするし、あの空間で食べるからこそ美味しく感じられ るのだ。
掲載されている写真は最近のもの(平成15年)と、昭和時代のものの二つがあります。一 番印象に残ったのが、昭和28年のゆで玉子の屋台の写真です。半紙のような紙に墨で書か れた「ゆで玉子15円」の文字、こういうのをみると時代を感じる。他にバナナのたたき売 りや、スイカ、果物まで色んなものを売っていて、当時の生活ぶりがうかがえます。
最近の露店では、「餡餅(シャービン)」「ドネルサンド」など新しいものも増えてきて いるそうです。でも、私としては昔からあるシンプルで素朴な食べ物もずっと残っていて 欲しいと思う。「たこ焼き」のタコがちょびっとしか入っていなかったとしても……「お 好み焼き」の具が少なかったとしても……何よりもあの雰囲気が好きだから。私にとって 縁日は、ほっと和む懐かしい場所なのです。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[モチーフ]
東京の図書館を紹介したガイドブックです。図書館というと、公立の総合図書館しか知ら なくて、そういうものを紹介した本なのかと思っていたら、博物館や美術館に併設してい る専門図書館というものがいっぱいで驚いた。
暮らし、海外、文学・絵本、芸術、メディア、総合、その他など、7つのテーマごとに33
もの図書館が載っている。魅力的な写真の数々は、図書館の持つ雰囲気が上手くでていて、
館内の様子がよくわかります。
私の住む町の近所の図書館はすごく小さくて、あまりおしゃれとはいえない建物なので、
見た目にも楽しめるカッコいい建物の外観、統一された色調の内装など、みているとうら
やましくなる。
ページをめくると、どこもかしこも見渡す限り本がいっぱいで、たくさんの本に囲まれて るだけでうれしくなってしまう。真っ白な天井にダークブラウンの書架や机だったり、メ ープル一色で統一されたロマンティックなこども図書館、美しくディスプレイされた棚は、 表紙を眺めて楽しむことができる。
私が行ってみたいと思ったのは、カナダ大使館 E.H.ノーマン図書館。日本で発行されて
いるカナダ関連の書籍はほぼ網羅していて、らせん階段が印象的な図書館です。
「赤毛のアン」シリーズがぎっしり詰まった書棚をみていると、記憶はこどもの頃へひと
っとび。ピンクやオレンジに包まれた可愛い表紙、何かが飛び出しそうな絵本、どれもが
懐かしく心浮き立ちます。あの頃の気分を思い出しながら、もう一度読んでみたくなった。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[図書館が舞台/本の本]
東郷青児とは、ロマンティックで抒情的な美人画で知られる画家です。その活躍は、画家 としてだけでなく、洋菓子店の包み紙、マッチ箱、化粧品のパッケージ、本の装丁など、 私たちの身近にある品々も数多くデザインされています。この本は、そんな青児のデザイ ンした作品たちを紹介しています。
ページを開くと次々に飛び込んでくる美しい品々。青児の作品は、この本で初めて知った のですが、なぜか懐かしい記憶が蘇ってくるようです。昭和という時代にぴったりと馴染 んだ、でも現代に置いてもちっとも古さを感じさせない魅力があります。みつめていると 吸い込まれてしまいそう。
可愛いお菓子の箱や、包み紙は大事に取って置きたくなりますが、使わないだろうなぁと いつも捨ててしまっていた私。でもこんなにたくさんの素敵なものたちを眺めていると、 心弾みます。絵の中の女性は大人だったり少女だったり色々なのだけど、どの絵も乙女心 を刺激するのだ。胸がキュンとときめいちゃう感じ。
そして青児の装丁本は、今では手に入りづらい貴重なものばかり。写真は年月の経過を思 わせる古本なのですが、妙に味があっていいんです。大切にしまい、時折思い出した時に は、何度でも手にとり眺めたくなるような。
青児のエッセイや、娘であるたまみさんのインタビューも掲載しています。青児の素顔や 家庭での様子も窺えるオススメの一冊です。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[乙女のための本]
雨音を聞いたり、語ったり、訪ねたり、味わったり、作ったり、清らかに「雨ふり」を楽 しむために、つぎの雨がきっと待ち遠しくなる、ライフスタイルブック。鎌倉、江ノ島、 葉山、横浜、湘南に降る雨を集めました。(「BOOK」データベースより)
雨というと、濡れるし冷たいし、憂鬱な気分になるし、嫌なことばかりという印象ですが、 この本を読むと雨が待ち遠しくなる。何よりも、雨について書かれた詩やエッセイが素敵。 著者の語り口はとてもやわらかく優しい。しとしとと降り注ぐ静かな雨のように、読み手 の心の中にするりと溶け込んでしまうのだ。
雨は街を色づかせる。風景をいつもと違う世界に変える。
空から落ちている水粒に心をとめる。とても素敵な言葉です。
こうして一つ一つの写真を眺めていると、うっとうしいだけだった雨が、アンニュイで情
緒的なものにみえてしまうから不思議だ。
雨の記憶。雨の想い出。
著者の文章に触れていると、私の中に眠る忘れていた雨の風景が、いくつも浮かび上がっ
てくる。
車のフロントガラスからみる雨粒が好き。ワイパーで何度拭ってもまとわりつく雨。小さ
くてすぐに消されてしまうけれど、次々に現れる雨粒をいとおしく眺めている私がいる。
雨に濡れたアジサイも好き。雨のしずくが、花びらや葉の上にぽとりと乗っかってるのを
みるとうれしくなってしまう。アジサイがよりいっそう瑞々しく、キュートな存在に思え
てくるのだ。
そして何より雨音を聴きながらの読書が好き。雨は私の外側にうっすらとした膜を作る。
「ざーざー、しとしと」こんな雨音も心地よいBGMとなり、非日常の空間を作り出してくれ
る。
雨の日に聴きたい音楽や、観たい映画、お料理など、写真がいっぱいの本です。雨の日に くつろぎながら読んでみて欲しい。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[モチーフ]
バーモント州の奥深い森の中で暮らすターシャ。彼女は19世紀半ばの生活様式を守り、シ ンプルで自然を大切にした生活を送っている。一年前から作り始めるクリスマスプレゼン ト、雪のランタン、リース、ディナー、クリスマスツリーの飾りつけまで、すべてが手作 りのターシャのクリスマス写真集です。
一面真っ白に覆われた白銀の世界。その中にポツンと佇むコーギー・コテージは、古めか
しく童話や絵本を覗いてるみたい。人里離れた田舎、文明から隔離されているかのような
静寂な空間。足跡一つのない真っ白な雪と、ずっと向こうにそびえる木々。こんな中で一
人で暮らすのってどんな気持ちなのだろう。
ターシャは、何もないところから楽しみをみつけるのが本当に上手だと思う。写真からタ
ーシャの優しげな微笑み、一つのことに取り組む熱心さ、日常の一コマに思いをとめ慈し
む様子が伺えます。
ネコ、イヌ、ニワトリ、ヤギなどたくさんの動物たちと暮らし、ティン・キッチンや暖炉 などアンティークなものがいっぱい。車よりも馬車がよく似合い、妖精やサンタクロース がフラリと出てきそうなその風景は、子供の頃の夢そのものです。
モミの木を切り、引きずって家まで持って帰る写真がすごく好き。
1858年から受け継がれてきたガラス玉の飾り、ジンジャーブレッドのオーナメント、ビー
ズを繋いだひも、灯されるろうそくの光。完成したツリーは、目映いばかりの美しさを放
っている。どんな豪華なものよりも、たっぷりと手間をかけて作られたもののほうが一番
心に染みるなぁと思いました。
電飾で施された派手なイルミネーションばかり見慣れてる私にとって、ターシャの素朴で 温かみがあるクリスマスの迎え方はとても新鮮に映りました。ゆっくりと味わい、静かに 過ぎていくクリスマス、素敵です。
→著者別[ノンフィクション]
→ジャンル別[エッセイ・ノンフィクション]
→テーマ別[クリスマス]