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ロバート・シーゲル作品

クジラの歌 白いクジラ―クジラの歌
クジラの歌 世界の果ての氷

クジラの歌/ロバート・シーゲル 著


『クジラの歌』3部作第1作です。
海のように果てしなく広がる紺碧の空、アホウドリのように風をはらんで飛ぶ白雲、波間の光。 こんな美しい風景が辺り一面に広がり、水面で動き回っている様子がとっても楽しそう。 どこまでも続く広大な海を、一緒に泳いでいるような気分になります。
クジラの視点で書かれた本なので、クジラからみた人間はどのように映っているの かということもわかります。

主人公であるフルナは長老のクジラからたくさんのことを教わる。
風と潮のこと、仔育てにいちばん安全な海のこと、防御のしかたのこと。 人間たちに殺された祖先の話。クジラの神話や伝説の数々。 クジラにはクジラの生活、世界があるのですね。長老のクジラが語ることは 神秘的であり、なるほどと思うことがいっぱい。

青年になったフルナは巡航の旅にでるのですが、その先には、ある試練が待ち受けています。 まだまだ色んなことが起こりそう。
人間と同じように海の生き物たちも何かを感じ、笑ったり泣いたりします。 ここには、フルナのたくさんの経験と感動が詰まっています。
彼女であるローテが、フラレカナという仔を産む所で物語は終わります。
これからの展開が楽しみです。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[壮大なスケール][動物][山岳・海洋・航空小説]


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白いクジラ―クジラの歌/ロバート・シーゲル 著


『クジラの歌』3部作第2作です。
フルナとローテの間に生まれた真っ白な仔クジラのフラレカナ。 今回はこのフラレカナを主人公に物語は始まります。
フラレカナな不思議な幻影をみることができます。その光景はどれもぞっとするような恐ろしいものばかり。ずっと先の未来を暗示するかのようです。

海を汚す人間や、滅ぼそうとする人間たち。 石油流出で海面は暗くなり、黒く染まっていく。海が汚れてると、こんなにもたくさんの生き物たちが苦しむことになるのですね。
体がねばねばして、ヒリヒリ痛んだり、悪臭もひどい。 窒息しそうになったり、肺が焼けそうになったりしている姿に、息がつまりそうになりました。 そんな中、苦しんでいる生き物たちの手当てをする人間が現れた時には、心から安心しました。

クジラを滅ぼそうとする人間がいるいっぽうで、クジラを救おうとする人間もいる。
マークという名のその人間は、フラレカナをある場所から救出する。その後、2人は友達になり、言葉を交わすように なるのですが、その会話がなんとも不思議。言葉はわからなくても、頭に思い描いた絵が、お互いに通じ合い、浮かび上がってくるのだ。

マークの乗る船に仕掛けられた爆弾を発見したフラレカナ。爆弾をはずそうとするのだけど、瀕死の重傷を負ってしまう。
傷ついたフラレカナはどうなってしまうのか。 まだまだ色んなことが起こりそうで目が離せません。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[壮大なスケール][動物][山岳・海洋・航空小説]


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クジラの歌 世界の果ての氷/ロバート・シーゲル 著


『クジラの歌』3部作第3作です。
重傷を負ったフラレカナは、海中の洞窟に横たわっている時、不思議な幻影、光、声を聞きます。 これから始まろうとしていること、しなければならないことを、光のクジラが伝えます。
どれくらい地底に留まっていたのかはわかりません。長い長いトンネルを抜け、ようやく海面にたどり着いた時、傷は消えかけていました。

石油流出により、クジラ達の食べ物はすっかりなくなってしまう。
餌場を求め、群れは世界の果ての氷まで旅にでます。
そこに待ち受けていたのは、人間たちのたくさんの密漁船団、長い網の罠なのでした。
だが、お腹を空かせた群れは、進まなければならない。 氷棚の下の長い長い道のりを進んでいく。 息継ぎのため、空気穴をみつけては、空気を吸い込まなければならない。だんだんと老いたクジラや仔クジラが弱っていく。

まだたどり着かないのか、みんな無事に生き残ることができるのか。 ずっとハラハラしながら、私もクジラ達と一緒に旅をしました。
ようやく浮上したそこに広がる世界、クジラ達の元気になった様子に、心からほっ とした。

その後も、地球のため、海のため、生物のために、フラレカナはあることをします。 それは危険で上手くいかなければ死んでしまうかもしれません。 何度も失敗し、傷だらけになり、血を流している姿に胸がしめつけられます。
絶望し、力が尽き、海底に落ち、また浮かびあがる。真っ暗で孤独で、冷たい海。
決して諦めない姿に涙がこぼれます。
ずっと緊張感が続いたためか、読後もしばらくは、ぼんやりとしてしまいました。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[壮大なスケール][動物][山岳・海洋・航空小説]


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