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リンドグレーン作品

はるかな国の兄弟

はるかな国の兄弟/リンドグレーン 著


優しくてたくましい兄ヨナタンと、弱くて臆病な弟カール。辿り着いたナンギヤラという 所は地球の外にあるはるかな国なのでした。美しい山に川や滝、おいしい空気、小道は桜 の花に囲まれていてそれはそれは素敵な世界なのです。再び出会えたことに喜び抱きし め合う二人。親切で陽気な村の人達がいる一方で、村を支配しようとする黒の騎士テンギル。 野バラ谷を救うべく立ち向かう勇敢な兄弟の物語です。

すぐそこに敵が動き回っているというのに地下にもぐったり、何かを運んだり。そしてあ る時には敵の姿に成り代わり大門を通り抜けていく。追手との距離が縮んだり伸びたり、 後ろから飛んでくる槍にハラハラしたり。次から次へと飛び込んでくる展開はスリルがい っぱい。まるで映画のスクリーンをみているかのようにひとつひとつの場面が浮かび上が ってくるのです。

たくさんの危険を潜り抜けたくましく立ち向かっていくヨナタン。カールを不安にさせま いとするその表情や眼差しからは愛情が伝わってきます。そんなヨナタンを慕い、怖がりなの にどこまでも着いていくカールが微笑ましいです。

兄弟が語り合う場面では、戦いがあったことなど忘れさせてくれるほど静かで柔らかな空 気に満ちています。ヨナタンはカールが大好きで、カールもヨナタンが大好きで・・・・・・
最後のあの場面では胸がジーンと熱くなってきて、どんなことがあっても、二人は離れず ずっと一緒にいて欲しいと思いました。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[児童文学・絵本]


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