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スーザン・プライス作品

12の怖い昔話

12の怖い昔話/スーザン・プライス 著


昔から伝わる神話や民話を、再話形式をとって著者独自の語り口で書かれたものです。
幽霊、魔法使い、化け物、死神、大天使ミカエルまで奇妙なものが登場しますがそれほど 怖くはありません。むしろこっけいであったり、ジーンときたり、微笑ましく思ったり、 様々な世界を覗けます。

イギリスの幽霊話が好きでそれっぽいものを期待していたのだけど、イギリス風な感じは ぜんぜんしなくて、外国の昔話をみているみたいです。
日本の怪談もののように恨みや執念から現れる幽霊とは違う。人間と同じようにくっきり とした存在感でそこかしこに生息していてたまたま出会ってしまったという感じ。

ここに出てくる魔物たちはどことなく抜けている。幽霊の怖さよりも、それに対峙する人 間の行動ほうが際立っていて勇敢に立ち向かっていくところなどみていて小気味よい。そ の中でも人間の愚かさ、欲深さ、ずる賢さなどもしっかりと描かれています。

『犬と幽霊』は、幽霊と遭遇した犬が主人を守ろうと必死に戦うお話。翌朝、帰ってきた 犬は様子が変わっていた。主人にかみつこうとするのだ。果たしてその訳は?
一晩で態度が豹変した犬の気持ちを考え、その後一生脅え続けて暮らす男の姿がこっけい で面白い。

どのお話も雰囲気がよく出ていて寝る前の読み物としてぴったり。決して怖くないので気 軽に読めると思います。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]
→テーマ別[幽霊]


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