小さな星の奇蹟 | |
舞台はマンハッタン。
12月のクリスマスムード一色の賑わいの中、生まれたばかりの子供を抱え、
ある決意をする女性。なんと彼女は教会の前に、自分の子を置き去りにしてしまうのだ。
それと同時刻、教会に忍び込んだ泥棒は、赤ん坊がいるとも知らずベビーカーごと
連れ去ってしまう。
そこへ大活躍するのが、アルヴァイラ夫妻。詐欺師に遺産を狙われそうになって いる知り合いや、なくなった聖餐杯の行方、消えた赤ん坊探しに奮闘します。
7年後、赤ん坊を捨てたことを後悔し、教会の周りをうろつく女性。
子供のいない夫婦の元で幸せに暮らしていたら。それが確認できたなら。
だが当時の事件を調べてみると、赤ん坊が発見されたというニュースはどこにもな
く……
何度も教会のミサに参加し、涙を流す様子が切ない。子供もまた母に会えることを
願い、お祈りをしている。その姿をみるとキュンとなってしまう。
ゆったりとした流れに乗って、ハッピーな結末へと導いてくれるこの本は、周囲の
人々の暖かさ、思いの強さによって幸せを呼んでいる。ほっと一息つける1冊で
す。
→著者別[海外小説]
→ジャンル別[ミステリー・サスペンス]