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M.T.アンダーソン作品

フィード

フィード/M.T.アンダーソン 著


ここは未来の世界。フィードと呼ばれる頭に埋め込まれたチップが、なんでもやってくれ る。辞書や映画に音楽に最新のファッションまで、溢れるほどのデーターが頭の中に流れ てくるのだ。街を歩けば、ショッピングモールの店や自分にぴったりな商品の情報まで運 んできてくれる。

同級生たちは、最新のファッションに群がり、次々と買い物をする。ビリビリに破けた服 や、わざと大きなただれをつけてみたりして、それがカッコいいと思っていたりする。ど こかおかしいのだ。でも、こんなにたくさんの情報が入り込んできて色々なものを目にし ていると、何か買わなきゃという気持ちに急き立てられるのかもしれない。

考えることをやめたタイタスと、自分の頭で考え続けるヴァイオレット。触れたいのに、 触れられなくて、こんなこと言いたくないのに傷つけるようなことばかりいってしまった り、上手く気のきいた言葉が出てこないもどかしさ。ヴァイオレットが、こんなに苦しん でるから支えになって欲しいのに、受け止めきれないタイタス。ここにあるのは、甘くロ マンティックな恋ではなく、残酷なのだ。

コンピューターが頭の中にあるなんて、便利なのだけど、私にはとても窮屈にみえた。ま るで人間がフィードに支配され動かされているようにみえてくるから恐ろしい。
私たちの現在に置き換えてみると、いつも使うパソコンだって、思い出せない言葉を検索 すれば簡単に答えが出てきてしまう。こういうところがもう自分の頭を使わなくなってき てるんだなぁ。まさに近未来ではなく、現在にも繋がる危惧があるように思うのです。

→著者別[海外小説]
→ジャンル別[児童文学・絵本]


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