詩羽のいる街 | |
「あの日まで、僕はこの世に奇跡が存在するなんて信じていなかった」マンガ家目 指して持ち込みを繰り返すもののいっこうにモノにならない僕。ある日突然現れた 詩羽という女性に一日デートを申し込まれ、街中を引きずり回される。お金も持た ず家もない彼女が、行く先々ですることは、街の人同士を結びつけることだけ。 しかし、そこで見たことは、僕の人生を変えるに十分な出来事だったのだ。 ―幸せを創造する奇跡の人、詩羽とは。(裏表紙より)
4つの連作短編になっていて、問題を抱えている主人公が詩羽と出会い、幸せに
なっていくというお話。
詩羽の親切は決して正義や良心からくるものではありません。そのほうが論理的だと考えるから。
出会った人の中に確実に何かを残していく。それは目にはみえないけれど、ずっと
心の中に残る大切なもの。主人公たちが、少しずつ変化していく様子が、爽快で
心地いいのです。
彼女の発する言葉は、実にシンプルで合理的。幸せになれるヒントが、あちこちに 散りばめられている。それを読むと確かにその通りだよなぁと思うのだけど、みんな 難しく考えすぎているのですよね。人は感情に流されやすいんだなぁと、つくづく思 う。
人と人が結びつき、プラスの輪が生じ、それがどんどん広がりネットワークとなる。
私もその世界に浸り、ジワジワと効いてきている感じ。
楽天的でユニークな詩羽の考え方が、私はとても大好きです。
詩羽のいる世界に、ぜひ触れてみて欲しい。とっても前向きで明るい気分になれ
ると思います。