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真保裕一作品

灰色の北壁

灰色の北壁/真保裕一 著


世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中合 わせの北陸を、たった一人で制覇した天才クライマー。その偉業に疑問を投じる、一編の ノンフィクションに封印された真実とは…。表題作の他に「黒部の羆」「雪の慰霊碑」を 収録。新田次郎文学賞を受賞した山岳ミステリー集。 (「BOOK」データベースより)

『黒部の羆』
かつては山岳救助隊であり、今は山小屋の主である羆。そこへ救助要請の無線が入る。
一方、山岳部に所属するライバル二人が遭難する場面は緊迫感たっぷり。淡々と登り続け ながらも、内に秘めた激しい嫉妬と焦り。ほんのちょっとの油断が引金となり、滑落して しまうのだ。宙づりになった仲間、自己脱出、恐怖からくる震え。過酷な山の描写が真に 迫ってくる。

『灰色の北壁』
クライマー・刈谷修が山頂で撮った写真が合成なのではという疑惑が持ち上がる。真実を 突き止めようと動き出した「私」、しかし刈谷は一切を語ろうとせず沈黙を続けた。

『雪の慰霊碑』
坂入慎作は、息子・譲が遭難した山へ命日に向かう。
一方、坂入慎作の家を訪れた譲の元婚約者の多映子は、身辺整理をしたかのようにキレイ に片付けられている部屋をみて異変を感じ、譲の従兄にあたる雅司を呼ぶ。
坂入は息子の後を追って死のうとしているのでは・・・・・・という不安がふくらむ。

山を愛し、山に魅せられた人たちの熱い物語です。誰かを想う気持ちや尊敬から一つに収 束し繋がっていく心地よさ。登場人物の心情がとてもよく伝わってきました。
山に登るということは、自分との戦いであり、自分を見つめなおす機会を与えてくれる場 所なのかなと思いました。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[ミステリー・サスペンス]
→テーマ別[山岳・海洋・航空小説]


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