アルフレートの時計台 | |
その時計台にはいくつものうわさがあった。入リ口の扉から入る人はいても、そこから出る人を見ることはない。深夜三時にひとりでくると、池のペガサス像が翼をはばたかせる。時計台の先端に白フクロウがとまっているのを見た者は…時をこえた少年の日の友情を描いた幻想譚。小学校高学年から。(「BOOK」データベースより)
舞台はドイツ、二十数年ぶりに帰る故郷。少年時代の想い出は懐かしくもあるけれど、想い出したくない哀しい出来事もある。遠い昔に置き忘れていた古い記憶――広場や時計台などの光景と共に、緩やかな時間が舞い戻る。
誰もいなく、すっかり寂れてしまった広場も、古くてずっと動かない時計台の針も、おとぎ話の中を漂っているみたいだし、雰囲気がすごく伝わってくる。
時を隔てた二人が、こんな風に再会できるなんて素敵です。お互いの信頼と強い結びつきがあったからこそ、再び出逢えたのだと思う。
ちょっぴり大人びていて聡明なアルフレート。夢を語るアルフレート。彼の純真さが胸に響きます。
二人の会話が進むにつれ、隠れていた真実がみえてきます。
優しくて静かで切なくて……暖かい感動がジワジワと広がる物語です。
→著者別[国内小説]
→ジャンル別[児童文学・絵本]
→テーマ別[タイムトラベル]