HOME

中勘助作品

銀の匙

銀の匙/中勘助 著


子供時代を思い浮かべる時、当時の断片的な記憶や、その時感じたことは覚えていて も、それをみつめる大人になった自分の視点がどうしても入り込んでしまうものだ と思う。
だがこの作品にはそれが感じられない。
まっすぐな子供だけの目線で、鮮やかに語られている。 大人が書いた子供時代の回想などではなく、子供そのものが書いた体験を読んでいるみたい。

虚弱だった少年時代、子供の遊び、学校や日常のエピソード。 静かに淡々と過ぎていく日常。伯母さんの限りない愛情。繊細で臆病な少年。
この少年をみていると、なぜか胸に優しい気持ちが溢れてきて、最後まで見守らな ければと思ってしまう。たどたどしくて幼いから。でも精一杯生きてるから。
思わず抱きしめたくなる。
少年のみたもの、感じたものを一緒に共有し、心地よい空間に浸ったのでした。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[一般小説]
→テーマ別[詩的な小説][子供の情景]


★詳細・注文Amazon.co.jp楽天ブックスbk1
↑ページTOPへ
HOME
inserted by FC2 system