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森絵都作品

いつかパラソルの下で リズム

いつかパラソルの下で/森絵都 著


厳格で堅物な父。その父が亡くなった後、浮気が発覚。 父の秘密を探るため、ルーツを探す旅が始まる。
父に反発して、20歳になって、さっさと家を出た兄。 20歳で彼の家に転がり込み、家出をした長女の野々。 家に留まり、父とぶつかることはなかった妹の花。

3人それぞれが、父の影響を受け、そこから抜け出せずにいる。
父の故郷を訪れ、父を知ることで劇的な変化を求めていたのかもしれない。 開放され、救われたいと思っていたのかもしれない。
父のせいにしてしまう気持ちはとてもよくわかります。 被害者のように感じてしまうことも。ずっとあの家に縛られてきたんだから、ちょっとぐらいハメをはずしてもいいっていう気持ちも。

真相ははっきりとはわからなかったけど、その父にも、子供時代があり、悩みがあり、1人の人間である。 そのまた親からも影響を受け、生きてきたということがわかり、呪縛から開放されたのではないでしょうか。
ちょっとみかたを変えれば、この父も、頑固で人生をちっとも謳歌できなくて、自分を解放し楽しむこともできず、かわいそうな人と言えます。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[一般小説]


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リズム/森絵都 著


この本は、さゆきが中学の3年間の中で、自分らしさをみつけていく物語です。
『リズム』と続編の『ゴールド・フィッシュ』の2作品が収められています。

変化していく毎日の中で、戸惑い、悩み、全身でしっかりと受け止め、変わってい くさゆき。まっすぐでけなげで応援したくなる。
いとこの真ちゃんのことも、周りは悪くいうけど、好きっていう気持ちはよくわか る。周囲がどんどん夢を諦めていく中、夢に向かって頑張る真ちゃんは、キラキラ しててカッコよくみえるんだろうなぁ。
自分はロッカーだからカッコつけていたい。苦労しているところ、落ち込んでると ころはみせたくないという真ちゃんが素敵。

印象的だったのが幼なじみのテツとのお祭りでのこと。 つまらないことでムキになってしまったり、怒ったり……
私にも、ずーっと昔こんなことあった!あった!と遠い過去を思い出す。
友達が気づかないうちにたくましくなっていたりすると、自分だけ取り残されたよ うな気がして焦ってしまったり。こういう複雑なことが色々あって、みんなピリピ リしてたんだろうなぁ。

さゆきがあんまりにも瑞々しくてまっすぐで。 それに比べると私はちょっと濁ってるのかなぁと感じた。 自分のリズムを大切にするのはとても難しいことだけど、私もさゆきのように、小 さなことをひとつひとつ楽しみたい。
夢がなくて悩んでいる人、自分を失いそうな中高生の人にぜひ読んで欲しいです。
自分のリズムでコツコツと。大きな夢は遠いかもしれないけれど、そこにはまっさ らな自分だけの道がある。そんな風に感じられるんじゃないかなぁ。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[児童文学・絵本]


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