百合祭 | |
老女ばかりが住むアパートにある日、79歳のダンディーな男性が引っ越してくる。
三好さんというこの男性は、私が想像するようなお爺ちゃんというイメージと
はまったく異なる人でした。
ます、年齢を気にしないといこと、老人という世間からのイメージに囚われることなく人生を楽しんでいること、そしてとってもエッチなのでした。
彼女たちをお婆ちゃんとしてでなく、女性として扱います。 優しい言葉や、甘い言葉をささやいたりする。 そんな三好さんに、彼女たちはすっかり惹きつけられてしまうのです。
69歳から91歳までの6人の女性が登場し、その中の73歳の宮野さんを主人公に語られていく。 彼をみて心をときめかす宮野さん。 胸がきゅんとなったり、ほのぼのしたり、時には重苦しくなったり。
この本には、老年の恋だけではなく、しっかりと性も描かれている。
彼女たちはエネルギーに満ち溢れ、性に目覚めていきます。
「年をとっていいことなんかない」「年ととったというだけでないがしろに
される」「いろいろなことを諦めなきゃないない」
そんな言葉がちらほらと流れる中、三好さんの明るい考え方に好感が持てた。
性愛をもっと楽しんで。あるがままに。年を重ねるのは素晴らしいこと。
この本にはそんなメッセージが込められているような気がする。