緑色の休み時間―広太のイギリス旅行 | |
風に緑のにおいのするイギリスの夏。広い広い農場で、広太は青い目の少年に出会つた。ことばは通じなくても、ふたりはいっしょに山に登り、自転車をのりまわし、わすれられない夏をすごした…。小学上級から。(「BOOK」データベースより)
イギリスのウェールズを舞台にした作品です。ゴツゴツした岩山に、湖、古城、広い農場、ずっと向こうまで広がる青空。目に飛び込んでくる情景が美しく、異国を歩いている気分に浸れます。澄んだ空気も、緑のにおいもこちらまで漂ってきそうだし、伸び伸びと過ごす広太がほんとに楽しそう。
羊にミルクをやり、乗馬をし、トレーラーで眠る夜。毎日が夢をみているみたいに楽しくって、物語が終わりに近づくにつれ、ちょっぴり寂しくなってくるのでした。
言葉が通じないランダルと、なんとか意思を通じ合わせ友達になっていく広太。上手く伝えられなかったり、もっともっと言いたいことがあるのに、表現できないことに、もどかしく感じる広太の気持ちがすごく伝わってくる。
二人の身振りを使ったやりとりが微笑ましくて、こんな関係すごくいいなぁって思いました。
ウェールズを舞台にした本をいつくか読んだことがあるのだけど、そのたびにすごく憧れます。まだ行ったことのない場所だけれど、この本を読んでますます好きになりました。