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北上秋彦作品

死霊列車

死霊列車/北上秋彦 著


東京と出雲市で発生したダーズ(致死的急性狂犬病症候群)が感染爆発、死者1800万人と推 定され、政府の主要機関が札幌に移された。ダーズは人を咬むことによって鼠算式に患者 を増殖させ、発病後の死亡率は限りなく100%に近い。国民はこのまま滅びてしまうのか。 空路が絶たれ、青函トンネル閉鎖の時刻も刻々と迫る中、家族を失った15歳の鉄道少年、 翔太はトロッコ列車「おろち号」を運転し北を目指す。タイムリミットホラー。 (「BOOK」データベースより)

徘徊する感染者、無数に転がる腐乱死体、辺りに広がる血の赤い染み。どこを見渡しても 生きてる人間は見当たらず、状況は絶望的だ。列車を走らせ出発するも、途中にはエンジ ン補給や食糧調達のため降りなければならない。列車を降りている時が一番心細く、今に も背後に現れるんじゃないかと想像するだけで心臓はバクバク、早く早くと強く願いなが ら読んでいました。

いくつかの駅で生きている人たちを拾うことになるのですが、一駅ごとに異なる展開が待 っていて、スリルと驚きがいっぱいです。たとえば、群集が大量のゾンビに追いかけられ ながら、駅目指して走っていたりして、なんとか人だけを拾い、ドアを閉めるところなど 映像を見ているみたいにリアルで身震いしてしまうほど。

北に進むに連れ、危険はどんどん増すばかり。自衛隊の特殊部隊による銃撃戦は、迫力が あるし、途中ゾンビ狩りの武装集団が現れたり、無人列車が追いかけてきたり、見どころ がたくさんあります。

警笛を鳴らすことは、生きている人間を呼び寄せると同時にゾンビをも呼び寄せてしまう。 遠くから徐々に近づいて来る獣のような唸り声、人の放つ絶叫、窓に張り付き人々を脅か す無数のゾンビたち。格闘するシーンでは、こちらにも緊張や恐怖が充分に伝わってきて、 終始、飽きることなく夢中になって読むことができた。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[SF・ファンタジー・ホラー]


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