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川口雅幸作品

虹色ほたる―永遠の夏休み

虹色ほたる―永遠の夏休み/川口雅幸 著


一年前に交通事故で父親をなくしたユウタは、小6の夏休みに一人、父との思い出の地を 訪れていた。よく一緒にカブトムシをとりに来ていた山奥のダム。今は使われていない そのダムで、ユウタは突然の雷雨に襲われ、足をすべらせて気を失ってしまう。やがて 目覚めたユウタの目の前には、一人の小さな女の子とダムに沈んだはずの村が…。タイ ムスリップした三十年以上前の村。かけがえのないもう一つの夏休みの、はじまりだっ た。 (「BOOK」データベースより)

カブトムシ・蛍・浴衣に花火大会など夏のイベントがいっぱいなこの本は懐かしさに溢れ ています。
ダム建設のためもうすぐ失われる村。そうしたらみんな離れ離れになってしまう。この夏 は、いつもとは違う特別な夏休みなのだ。村の人達は最後の夏祭りを盛り上げようと奮闘 する。

村全体に灯篭が燈され、ズラリと並んだ夜店、辺りに鳴り響く大太鼓のリズム、食べ物の 芳ばしい匂いと煙たい暖気、ひしめき合う人の波。華やいだその光景は、気持ちを一気に 高まらせる。

悲しい未来にそれでも・・・・・・と決断した少女がいて、今を懸命に生きようとする少年がい て、別れたくないと思っていてもどうしようもない運命が待っていて・・・・・・それでもやっ ぱり今日という日を精一杯生きようとする姿が感動的です。

セミの大合唱、川で遊んだこと、煌めく太陽もすべてが眩しくて彩り豊かな色彩が目にみ えてくるようです。特に花火大会の描写が素敵です。打ち上げられた光の線が消えるまで 慈しむように眺めていたこと、観終わった後、夏が遠ざかってしまったような寂しい気持 ちになったこと、夢の中にいるみたいにポワンとしてたのにその後に必ず残る淡い感傷、 ジーンときちゃいます。

山に囲まれた田舎の風景は、大人が読んでも楽しめると思います。過ぎし日の思い出に浸 りながら、もう一度夏休みを体験できるワクワクする一冊です。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[児童文学・絵本]
→テーマ別[夏休み][タイムトラベル]


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