HOME

坂東真砂子作品

13のエロチカ

13のエロチカ/坂東真砂子 著


13編からなるエロティックな短編集です。
主人公は女性がほとんどで、年齢は小学生から大人の女性まで幅広く登場します。場所は、 畑だったり、更衣室、金木犀の茂みだったり空港だったり、ちょっと異質な設定なのだけ ど、本当にありそうかもと思わせてくれる細やかな描写が見事。

一番ドキドキしたのは、2話の編集者のケイコが、作家である滝島の家にインタビューし にいくというお話。初めは着々とインタビューが進められメモを取るケイコだったが、 話がケイコのプライベートな事に及び思わぬ方向へ……
編集者と作家という設定でありながら、いつのまにか妙な空気が流れていて、突然芽生え た欲求への戸惑いが伝わってきます。
止められない熱い衝動はどうなるのか、インタビューの行方はどうなるのか、物語の渦に 呑み込まれすっかり惹きつけられたのでした。

小学生の女の子のベッドの中で知る初めての快楽の話は、リアリティーがあってよい。
10代の男の子が出てくる初体験の話は生々しく、その年頃にある大きく膨らんだ欲求と、 満たされた後の達成感が生き生きと描かれています。

誰の奥底にも眠っている欲望は、あることをきっかけにフワリと立ち昇る。そして一度開 かれた扉の向こうには、想像もつかない快楽の世界が広がり、ズブズブと溺れ身を浸すのだ。 内側から火がついたかのように燃え上がるそれは、身体だけでなく、心も感じさせ てくれる。つかのま夢をみていたかのようなまどろみへと導いてくれる、そんな読後感。

→著者別[国内小説]
→ジャンル別[一般小説]
→テーマ別[エロティック]


★詳細・注文Amazon.co.jp楽天ブックスbk1
↑ページTOPへ
HOME
inserted by FC2 system