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幽霊

幽霊が出てくる小説を集めてみました。

日本の幽霊と外国の小説に出てくる幽霊は、明確な違いがあるように思います。
日本の幽霊は、怪談ものとして怖がらせようという意図で書かれたものが多いように思うのです。足がなかったり透けてみえたりして、この世にたっぷり恨みや未練を残しているような幽霊。こういう本は、ぜひ真夏の夜に読んで欲しい。

一方、外国の幽霊は、透けてみえたりすることはなく、くっきりとした存在感があります。生きてる人間と同じようにそこかしこに生息していて、決して怖がらせようとしているのではない。ただそこに佇んでいるという印象。

そんな中でも飛び切りイギリスの幽霊が好き。生きている人間と対比させると、人間のほうが怖く思えてくるから不思議。妙に雰囲気が出ていて、イギリスは幽霊がとても似合う国だと思う。こういう本は、底冷えのする寒い冬に読んで欲しい。

キーワード:テーマ別、本の感想、幽霊、小説

エアーズ家の没落(上)
著者:サラ・ウォーターズ
このシリーズは全2巻あります。

かつて隆盛を極めながらも、第二次世界大戦終了後まもない今日では、広壮なハンドレッズ領主館に閉じこもって暮らすエアーズ家の人々。かねてから彼らと屋敷に憧憬を抱いていたファラデー医師は、往診をきっかけに知遇を得、次第に親交を深めていく。その一方、続発する小さな“異変”が、館を不穏な空気で満たしていき…。

12の怖い昔話
著者:スーザン・プライス

昔から伝わる神話や民話を、再話形式をとって著者独自の語り口で書かれたものです。幽霊、魔法使い、化け物、死神、大天使ミカエルまで奇妙なものが登場しますがそれほど怖くはありません。むしろこっけいであったり、ジーンときたり、微笑ましく思ったり、様々な世界を覗けます。

ミステリアス・クリスマス
著者:ロバート・スウィンデルズ 他

深い霧におおわれた高速道。家出少年ビリーがヒッチハイクしたそのトラックには、不気味な男が…。ほんの悪ふざけで唱えた魔の呪文。恐ろしい結末が兄弟を待っていた。観るたびに変化しつづける怪しげな絵画や呪われた人形の話など、イギリスの人気作家7人が綴る恐怖と幻想の物語。

メグ・アウル ミステリアス・クリスマス2
著者:ギャリー・キルワース 他

「クリスマスにゴースト・ストーリーを」というイギリスの慣習に基づき、聖夜を背景に語られる奇怪な物語。フクロウと魔女とハロウィーンをテーマにした表題作ほか全5編を収録する。99年刊の続編。

私の家では何も起こらない
著者:恩田陸

この家、あたししかいないのに、人がいっぱいいるような気がする・・・・・・ ようこそ、丘の上の幽霊屋敷へ。恩田陸が描く、美しく不穏なゴーストストーリー。 小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。この家は、時がゆっくり流れている。幽霊屋敷と噂されるその家にすむ女流作家は居心地のよいこの家を愛している。

あやし
著者:宮部みゆき

江戸を舞台にした9つの短編です。 その時代に生きる人々の人情味溢れる会話、下町の情緒ある暮らしがよく描かれています。その中に潜む人間の闇・情念・怨念・嫉妬。それらが強くでると、こんな形で現れたりするんですね。

令嬢クリスティナ
著者:ミルチャ・エリアーデ

これは若くして死んで現世を離れ切れぬ女の幽霊の恋物語だ。Z村の貴族屋敷の住人たち、モスク未亡人とその娘二人は、令嬢クリスティナの美しい絵姿を生前の寝室に飾り、さながら聖画像のように渇仰していた。令嬢は未亡人の姉で、ルーマニア全土を震撼させた 1907年の大農民一揆に巻き込まれたのだ。

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